商品売買 ふくしま先生の動画のノートまとめと感想
友人に簿記3級の勉強を「ふくしままさゆき」さんのYouTube動画で教えています。
簡潔にまとめたものや感想が友人に好評だったので、そのままブログにしました。
今回は第3回目で、YouTube動画4回目の商品になります!
初めて勉強する方は少しボリュームが重たいと思うかもしれませんが、じっくり復習してみてください。
2021年度に内容が変更されたので、2023年くらいまでに勉強される方は「商品」に力を入れてください。
簿記1級、税理士簿記論に合格している目線から書いたので、皆さんの簿記の勉強の参考になれば嬉しいです。
簿記3級独学応援っ!④商品売買
ノート編
商品の論点7つ
①売買仕訳の基本
取引の対象が商品ではない場合、ツケ債務には「未払金」を用いる。
「買掛金」ではない。
簿記では、取引の対象が商品なのかどうかが重要。
企業の活動は、「商品売買」がメインの活動だから
(例1)
300万円の事務所用建物を購入し明け渡しを受けた。
代金はツケとして、来月末に支払う。
建物 3,000,000 / 未払金 3,000,000
(資産の増加) (負債の増加)
【分記法の処理】
(例2)
3,000円の商品をツケ(掛け)で購入した(代金は来月末に支払うことになっている)
商品 3,000 / 買掛金 3,000
(資産の増加) (負債の増加)
商品を買ったとき:商品という資産が増えたので「商品」勘定を借方
(例3)
例2で仕入れた商品を5,000円で掛け販売した
(代金は来月末に支払ってもらうことになっている)
売掛金 5,000 / 商品 3,000
/ 商品販売益 2,000
( 収益の発生)
商品を売ったとき:商品という資産が減ったので「商品」勘定を貸方(差額が儲け)
商品を売ったので、「商品」という資産がなくなる(3,000円)
5,000円の掛代金を請求できる権利(「売掛金」という資産)が発生する
3,000円で買ったものを5,000円で販売したので、差額2,000円が儲け
※取引対象が商品以外であれば「売掛金」ではなく「未収入金」を用いる
商品を買ったとき:商品という資産が増えたので「商品」勘定を借方
商品を売ったとき:商品という資産が減ったので「商品」勘定を貸方
(差額が儲け)
⇒この記帳方法を分記法という(分割記入法の略)
分記法は「商品」「商品売買益」の2つの勘定科目を用いる。
商品現物の増減に応じて「商品」という資産勘定を増減させるので、5つの概念の増減
にそのまま合致している処理方法。
分記法のメリット、デメリット
メリット :売ったときに「儲け」が算定されること(儲けがすぐわかること)
決算で仕訳不要だから楽!
デメリット:売ったときに「仕入れたときの値段がいくらだったかな」と調べなくては
いけないこと。期中が大変。
企業にとって商品売買は、メインの活動。
商品は毎日たくさん(数十個、数千個、数十万個)仕入と販売がされる
そのため、商品売買に分記法を用いることは煩雑で実務的ではない!
そこで、企業にとって重要かつ大量な取引(=商品売買)については、分記法以外にいくつか処理方法が考案された。
・分記法・・・「商品」「商品売買益」の2つの勘定科目を用いる。
・三分法
・売上原価対立法
・総記法など
メインは三分法(簿記の学習では、ほとんど三分法しか学習しない)
※分記法は2021年度試験から試験範囲外になったが、商品以外の売買は分記法だから理解しておく!
三分法は、「仕入」「売上」「繰越勘定」の3つの勘定科目を用いる。
商品を購入した時:借方「仕入」勘定
商品を販売した時:貸方「売上」勘定(※売価で仕訳する)
(「繰越商品」勘定は期中では使用されず、決算のみ使われる)
②三分法
【三分法の処理】
商品売買では、商品に関して「仕入」「売上」のみ使用
(例4)
3,000円の商品をツケ(掛け)で購入した(三分法で処理)
仕入 3,000 / 買掛金 3,000
(例5)
例4で仕入れた商品を3,000円で掛け販売した(三分法で処理)
売掛金 7,000 / 売上 7,000
⇒仕訳が楽!(三分法のメリット)
儲けは仕訳からは判明しない⇒決算作業で算出すればいい!
期中は仕入れたら「仕入」、売ったら「売上」を繰り返し、決算(期末)に儲けを一気に計算!(決算で「繰越商品」勘定を用いる。)
三分法のメリット、デメリット
メリット :期中の仕訳が簡単
デメリット:儲けが判明せず、決算(期末)で売上原価を算出するための仕訳が必要になる
(例6)
8,000円の商品を掛けで購入した(三分法で処理)
仕入 8,000 / 買掛金 8,000
例6の商品を10,000円で掛け販売した(三分法で処理)
売掛金 10,000 / 売上 10,000
売上は収益、仕入は費用
三分法は、
商品という資産を購入した(資産の増加)が「費用の発生」
商品という資産を販売した(資産の減少)が「収益の発生」
という仕訳をする
「繰越商品」は資産
③その他の論点1「付随費用」(仕入諸掛り・売上諸掛り)
商品を仕入れる際に、仕入代金以外にかかった付随費用(仕入諸掛り)は「仕入」に加える
(例7)
商品200円を掛けで仕入れた。その際に、発送料(買主が負担する契約になっている)として10円がかかり現金で支払った
【仕入側の仕訳】
仕入 210 / 買掛金 200
/ 現金 10
⇒「付随費用10円」は、「発送費10」とはしないで「仕入」に加える
※簿記では、「取得するためにかかった諸費用は、そのモノの取得原価に入れる」という考え方(これは商品に限らない)
【売主側の仕訳】
売掛金 200 / 売上 200
※仕入諸掛りは、買主が支払ったから売主には何の影響もない
(例8)
商品を販売する際に、かかった付随費用(売上諸掛り)は、費用にする。
商品300円を掛けで販売した。その際に、発送料(売主が負担する契約になっている)として20円がかかり現金で支払った。
【売主側の仕訳】
売掛金 300 / 売上 300⇐商品売買の取引
発送費 20 / 現金 20 ⇐運送してもらう取引
⇒付随費用20円は、借方「発送費20」とする
【仕入側の仕訳】
仕入 300 / 買掛金 300
今回の売上諸掛りは、売主が支払ったから買主には何の影響もない
(例9)
商品200円を掛けで仕入れた。その際に、発送料(売主が負担する契約になっている)が10円かかり売主に代わって現金で立替えて支払った。
仕入 200 / 買掛金 200⇐この200は売主に支払うもの
立替金 10 / 現金 10
⇒「仕入」210円にしない
※取得する際にかかった諸費用は、そのモノの取得原価に入れるが、買主が負担しない諸費用は、取得原価に入れてはならない。
⇒10円の支出は、後で売主に請求できるので債権(資産)である。
この請求権を「立替金」勘定で表す。
後で売主に請求するということは、「買掛金」と相殺してもいいのでは?
※この処理方法は2通りあるが、今回はとりあえずこの1通り。
仕入 200 / 買掛金 190
/ 現金 10
④その他の論点2「返品」
買った商品が品違いだったため返品した
⇒買ったときの反対仕訳をするだけ
売った商品が品違いだったため返品した
⇒売ったときの反対仕訳をするだけ
(例10)
10月1日 商品(1個200円)を10個掛けで仕入れた
仕入 2,000 / 買掛金 2,000
10月2日 前日に買った商品のうち2個が品違いだったため2個返品した
買掛金 400 / 仕入 400
10月3日 一昨日購入した商品のうち3個を1個300円で掛け販売した
売掛金 900 / 売上 900
10月4日 前日に販売した商品に品違いがあり1個返品された
売上 300 / 売掛金 300
⑤その他の論点3「原価・有高の算定」
(例11)
10月1日 単価100円の商品Aを10個仕入れた
10月10日 単価130円の商品Aを20個仕入れた⇒在庫は合計30個
10月20日 商品Aを1個販売した(売価150円)
※他にも方法はあるが、簿記3級では2種類学習
先入先出法の考え方 「100円」と考える
(「先に仕入れたものから先に払出す」と考える)
⇒在庫は「100円のものが9個と130円のものが20個で合計3,500円」
移動平均法の考え方 「120円」と考える
(「仕入れた都度に平均値を算出する」と考える)
⇒在庫は「120円のものが29個で合計3,480円」
⑥その他の論点4 「前払金と前受金」
商品を買う際に前もって代金の全部、一部を払って置くケースがある
”内金””手付金”⇒「前払金」勘定を用いる
(例12)
10月1日 8万円の商品B購入で、手付金として1万円の小切手を振り出して手渡した。
前払金 10,000 / 当座預金 10,000
10月8日 上記商品Bの引渡を受けた。残高は月末払いとした。
仕入 80,000 / 前払金 10,000
/ 買掛金 70,000
※10月1日に売買が成立してないから、仕入れたと言えないため「仕入」計上はダメ!
(引渡してないから)
前払金は資産 (引き渡しを受ける権利だから)
商品を売る際に前もって代金の全部、一部を受け取るケースがある
”内金””手付金”⇒「前受金」勘定を用いる
(例13)
10月1日 8万円の商品B販売で、手付金として1万円の小切手(顧客が振り出したもの)を受け取った。
現金 10,000 / 前受金 10,000
10月8日 上記商品Bを引き渡した。残高は月末払いとした。
売掛金 70,000 / 売上 80,000
前受金 10,000 /
※10月1日に売買が成立してないから、販売したと言えないため「売上」計上はダメ!
(引渡してないから)
前受金は負債 (引き渡しをしなければならない義務だから)
⑦その他の論点5「クレジットカードでの販売」
※簿記3級では販売店側の仕訳が出る
商品を販売したときに、顧客側がクレジットカード払いをしたケース
(例14)
① ③ ②
①販売店が顧客に商品10,000円販売
②クレジットカード会社が販売店に9,800円支払う
③顧客がクレジットカード会社に10,000円支払う
10月20日 商品を顧客にクレジットカード払いで販売した。
カード会社の取扱手数料は販売代金の2%。
カード会社への手数料は販売時に計上する。(商品の売価は10,000円)
クレジット売掛金 9,800 / 売上 10,000
支払手数料 200 /
10月30日 カード会社から販売店へ商品代金が当座預金に支払われた。
感想編
皆さんお疲れさまでした!
今回はボリュームが多かったですね・・・
初めて勉強する方は、大変だったかと思うので少しずつ自分のペースで復習してみてく
ださい。
この商品という内容は、2021年度試験から学習内容が変わりました。
もし私が受験生ならこの項目は、2023年辺りまで徹底的に勉強すると思います。
なぜなら、皆さん
新作のスタバの商品
新作のゲーム
話題の新作のコスメ商品
新作の洋服など
新作のものに興味を持ちませんか?
それは試験員である先生も同じだと思うのです。
変更があって新しくなったから先生も勉強し、勉強するなら出題してみようかな?
という発想になるかもしれないなと。
ほとんどの物事に対して、相手が存在します。
私は相手が「何を考えるか」「どうしようと思うか」という視点で勉強やゲーム、それ以外にも考えてます。
意外とこの考えが活きることが多いので、この「商品」は得意になるくらい勉強してみてください!